詐欺電話を撃退せよ
お年寄りを狙うオレオレ詐欺などの特殊詐欺。一向に減らない被害のすべては、一本の電話から始まる。
そこで、犯人の電話にターゲットを絞る新たな撃退法が試みられている。
お年寄り守れ 官民で新手法
ランプの色は赤、黄、青。電話に着信があると光りだす。「迷惑電話」だと赤で、呼び出し音も鳴らない。家族など、事前に登録した番号なら青。どちらでもない場合が、黄。
「受話器を取らずにどんな電話かわかるんです」
「迷惑電話チェッカー」を前に、岡山県井原市の担当者は胸を張った。システム開発会社トビラシステムズ(名古屋市)と電話会社ウィルコム(東京都港区)の共同開発。業者のモニター募集に市が応募し、市民に無料で貸している。東京、愛知、鹿児島など7都県17市区が参加する。トビラ社のデータベースには、詐欺犯のものとみられる電話番号が登録されている。警視庁と埼玉、千葉両県警が把握する番号に、利用者がトビラ社に通報した分を加えた計2万5千超で、自動的に着信拒否される仕組みだ。
特殊詐欺と電話
息子や警察官を装う「オレオレ詐欺」、医療費が戻ると言ってだます「還付金詐欺」、投資詐欺などがある。昨年1~11月の認知件数は1万775件。被害総額約426億円で、過去最悪だった12年を上回った。
犯人の多くは携帯電話やIP電話を使う。警察庁が昨年5月に認知した1063件を調べると、被害者の7割は自宅の固定電話で電話を受けていた。
朝日新聞 夕刊 2014年(平成26年)1月31日 金曜日