迷惑電話(振り込め詐欺等)・営業電話(勧誘電話・セールス電話)を自動で着信拒否 トビラフォンは未知の迷惑電話も着信拒否(迷惑電話フィルタ)できます。

朝日新聞朝刊

相手だれ?通知・録音で確認

 家族などになりすましてお金をだまし取るニセ電話詐欺。自分は用心深いから大丈夫だと過信していませんか。相手が分からない電話には注意が必要です。


「……おばあちゃん?」「そうだうよ。○○ちゃん?」

 数年前、昼下がりにかかってきた一本の電話を、東京都足立区に住む女性(80)は忘れられない。 電話口ですすり泣く声は確かに孫娘に聞こえた。 「私が悪くてね。事故を起こしちゃったの。ママいる?」 孫の母親に代わると、「暴力団の事務所に連れてこられた。200万円用意して」。 さらに代わった父親が場所を尋ねたところで、電話は切れた。 家族はすぐに110番通報。 駆けつけた警察官にそろって「本人の声に間違いない」と証言したが、孫の勤務先と連絡先が取れ、ニセの電話だと分かった。 危うく難を逃れたが、「その時は一刻も早く孫を助け出さなきゃという一心だった」と振り返る。 振り込め詐欺の実態に詳しい国士舘大学の辰野文理教授は「『大変だ』」という感情が引き起こされて冷静さを失うなど、誰にでも判断力が弱くなるときがある。だます側は様々な演出でそうした状況に追い込むので注意だけで防ぐのは難しい」。 詐欺などに引っかからないようにするには、相手が確認できない電話を取る機会を減らすのが効果的と指摘する。 最近は、電話会社が有料で提供する発信電話番号通知サービスと組み合わせた電話機や装置が登場。離れて暮らす親へのプレゼントとしても売れている。



 「通話録音型」の製品は、自動音声で録音を予告した上で、実際に通話を録音する。 シャープが今春発売したシリーズは着信時に電話機内の電話帳と照合し、登録されていない電話番号は赤色ランプで警告。自動音声で録音予告し、名前を名乗るよう求めるので相手を確かめられる。通話直後にその番号を電話帳に登録するか、着信拒否リストに加えるか、ボタンで操作する。 同社は足立区と協力して区内の約100世帯に機器を配り、効果を検証している。冒頭の女性宅もモニターの一人で、「不要な電話に出なくて済むようになった」と話す。



 パナソニックが今月発売した電話機は録音予告のタイミングが着信音が鳴る前。相手が電話を切れば着信音自体が鳴らない。別のメーカーは、同じ機能で、電話機に接続して使う外付けタイプの製品を売っている。 過去に振り込め詐欺事件などに使われた特定の電話番号を自動でシャットアウトする「自動着信拒否型」の製品もある。 警察庁や消費生活センターから提供された電話番号は現在約2万件。かかってきた番号が該当すれば、電話をつながない仕組みだ。遮断する番号はネットや電話回線を通じて随時、更新される。通信大手などが専用装置を売っており、初期費用が比較的安く済むのも特徴だ。



固定電話 8割の家に

 総務省の調査では、家庭や事業所にある固定電話の契約数は今年3月辞典で5619万件。 6年前と比べ、約4%の減。この間、NTTの加入電話が減ったのに対し、通話料が比較的安いIP電話が大きく伸びている。家庭の固定電話の保有率は約79%(2013年末)という抽出調査の結果もあり。



詐欺被害 過去最悪

 警察庁によると、振り込め詐欺を含む特殊詐欺の被害総額は年々増加し、昨年は過去最悪の565億5千万円。子どもや孫を名乗る「オレオレ詐欺」、税務署の職員を名乗って税金の還付手続きを装うといった「還付金等詐欺」は固定電話にかかってくることが多く、65歳以上の被害が9割を超える。



電話勧誘の相談増加

 電話は高齢者を中心に消費者トラブルのきっかけにもなっている。65歳以上の消費者から各地の消費生活センターに寄せられた相談を取引形態別で見ると、訪問販売に関する相談は減少傾向だが、電話勧誘販売に関する相談は年々増加。13年度は全体の約24%を占め、ワースト1位となった。



 

朝日新聞 日刊 2015年(平成27年)6月28日 日曜日