振り込め詐欺や悪質商法の被害を防ごうと、愛知県警は一日、迷惑電話からの着信を自動的に拒否する民間システムの実験を始めた。名古屋市内の高齢者世帯に専用機器を取り付けてもらい、四月末まで効果を検証する。
利用するのは、名古屋市中区のベンチャー企業トビラシステムズが昨年六月に始めた「トビラフォン」で、専用機器を自宅の固定電話につなぐ。
同社は、国民生活センターなどや警察が収集している迷惑電話、振り込め詐欺の番号をデータベース(DB)化している。自宅にかかってきた電話番号は、インターネットを通じて瞬時にDBと照合され、該当すれば自動的に着信を拒否し、着信音も鳴らない。
犯行グループは、網をかいくぐろうと次々と新しい番号を入手する。このシステムは、利用者が「迷惑電話」と判断して着信拒否ボタンを押す例が続けば、その番号もDBに登録されるため、新しい番号にも対応できる。番号の蓄積は約二万件に上っているという。
実験は、専用機器を無料で貸し出した緑区の五十〜七十台の三十六世帯が参加する。
県警は、犯罪抑止に効果があると判断すれば、防犯協会などを通じて県民に利用を促す。その際、インターネットとナンバーディスプレーの各有料サービスを利用している世帯ならば、月額三百十五円の機器リース料で利用できる。問い合わせは、愛知県警地域安全対策課=代052(951)1611=へ。
中日新聞夕刊 2012年(平成24年)2月1日 水曜日