迷惑電話(振り込め詐欺等)・営業電話(勧誘電話・セールス電話)を自動で着信拒否 トビラフォンは未知の迷惑電話も着信拒否(迷惑電話フィルタ)できます。

フジサンケイビジネスアイ

トビラシステムズ 迷惑電話情報共有 自動で拒否

飛躍カンパニー

振り込め詐欺、悪質なセールス勧誘、いたずら電話…。インターネットが通信の主役になった現代でも、迷惑電話による被害は後を絶たない。システム開発のトビラシステムズ(名古屋市中区)は、固定電話への迷惑電話を自動的に着信拒否できる装置「トビラフォン」を開発、リースサービスを始めた。高齢者を中心に需要は多いとみており、リース料を月額315円の低料金に設定。新たな収益の柱に育てる方針だ。

トビラフォンは、手のひらサイズの大きさ(幅10センチ、奥行き7センチ)で、固定電話とネットに接続して使う。迷惑電話と認識されている電話番号からの着信があると赤のランプが点灯し、着信音を鳴らさない。

トビラフォンの特徴は、利用者間で迷惑電話の電話番号を共有できること。迷惑電話がかかってきた場合、「拒否」のボタンを押すとネットを通じて電話番号を管理サーバーに登録。次回から迷惑電話を受けた本人だけでなく、トビラフォン利用者全員がその番号からの着信を拒否できる。

迷惑電話の番号を登録した本人だけが着信を拒否する従来のサービスと大きく異なり、この仕組みは特許出願中だ。迷惑電話の登録件数に制限はなく「着信拒否リスト」のデータベースは上限なしで拡大できる。着信拒否リストは利用者からの情報だけでなく、警察や国民生活センターが公開している電話番号も登録。すでに約1万2000件が登録されている。

開発のきっかけは、明田篤社長(30)の祖父が高額商品の押し売り被害にあったためで、同様の被害に悩む高齢者は多いと考えた。同社は、ホームページ制作やコンピューターネットワークの監視システム開発などIT(情報技術)事業を柱に据えてきた。これまで培ったIT技術を固定電話と融合させることで、国内初となるシステム開発にこぎつけたわけだ。

当初は初期費用を2980円に想定していたが、6月のサービス開始から期間限定で無料キャンペーンを行ったところ好評。初期費用を廃止し、月額315円のリース料のみとした。低額で利用できることで、ユーザー層を拡大する狙いだ。すでに全国で100件の契約があり、今年度は1万件の契約を目標にしている。

現在、リースの受付窓口は同社への直接申し込みのみだが、ケーブルテレビ会社の販路を利用した販売チャンネルの拡大も模索している。また、将来はNTTドコモなど携帯電話の通信キャリアや固定電話機の製造メーカーにもデータベースやノウハウの提供を目指す。明田社長は「IP電話が増えるなど、固定電話にはまだまだ根強い需要がある。全国の固定電話契約の5%を目標に契約を取りたい」と意気込んでいる。(内山智彦)



Fuji Sankei Business i 2011年(平成23年)9月7日 水曜日