愛知県一宮市は26日、過去に振り込め詐欺などで使われた電話番号からの着信がわかる専用機器を、高齢者世帯など市内1000世帯に貸与する社会実験を今秋に始めると発表した。市によると、自治体による専用機器の試験導入は、東京都西東京市などに次いで3例目という。
県警一宮署によると、一宮市で今年、高齢者を狙った振り込め詐欺は11件(25日現在)発生し、被害総額は約6300万円になる。
機器は、名古屋市中区のソフト開発会社「トビラシステムズ」と通信大手「ウィルコム」が共同開発した「迷惑電話チェッカー」。電話機に接続し、電話がかかると、過去に振り込め詐欺などで使われた電話番号2万件を蓄積したデータベースと照合し、登録されている電話番号の場合は、アラームが赤く点滅して、「迷惑電話の恐れがあります」との音声が流れる。ただ、未登録の番号で詐欺の電話がかかってくる恐れもあるため、市は貸与時に注意喚起する。機器には詐欺とみられる電話番号を新規登録する機能もある。
消費者庁のモデル事業として全額補助を受けるため、利用料無料。10月にモニター家庭を募集、65歳以上の高齢者のいる家庭に優先貸与する。
読売新聞 朝刊 2013年(平成25年)8月27日 火曜日